個を超える領域 Transpersonal Region

「作成中」
◆前提となる世界観 
⑴統合場の秩序相(b’)のはたらきによって、意識場は創出される。
⑵意識場のはたらきによって、感覚世界(M1)、論理世界(M2)、自我(ego)は仮構される。

秩序相(b’)は我々が認知して理解する全ての事象を創造する統合場のマトリックスであり、そのはたらきは「M1」「M2」「ego」と相関する。我々は自我(ego)であり、我々を取り巻く世界は感覚世界(M1)である。我々の心はその論理的はたらきによって論理世界(M2)を措定する。(詳細は本文参照)

 

◆意識のトランスパーソナル相
(事象1)愛する故人などとの(霊的)コミュニケーション ➡︎ トランスパーソナルな情報及び情報主体の存在を示唆
……体験としての報告数は多数存在(※1)
(事象2)トランスパーソナルな記憶(経験)領域 ➡︎ トランスパーソナルな情報の存在を示唆
……スタニスラフ・グロフが提唱するCOEXシステム(※2)、イアン・スティーヴンソンの子供の前世記憶の研究事例(※3)

上記の事象1、2の情報は秩序相(b’)の範疇になく、物理化学的な脳機能の制約を超えたトランスパーソナルなレベルの情報を含む。これらの情報は秩序相(b’)の体系には含まれず、現代科学の論理体系(M2)からは逸脱している。

◆秩序相(c’)
 意識のトランスパーソナル相の存在を信じるならば、統合場には新たに『秩序相(c’)』が仮定される。秩序相(c’)は自我(ego)関連相であり、トランスパーソナルの情報、情報主体を有する。それは自己のスピリチュアルな領域に相当すると解釈される。

◆自己の真相
 秩序相(c’)の存在を仮定すれば、自己の真相は統合場に生じる秩序相(b’)と秩序相(c’)の複合連続相であると理解される。自己は統合場において異なるレベルの秩序の階層性を有する。

◆秩序相(b’)と秩序相(c’)の関係性
 意識のトランスパーソナル相の存在を仮定した場合は、統合場の秩序相(b’)と秩序相(c’)の関係性は以下の通りとなる。

b’の範疇での自己単位が消失した際(つまり、死去した場合)、c’は共に消失することはない。c’の存在はb’の存在に依拠しない。

b’の意識場中に保持される情報(記憶)はc’へ移行され、c’はそれを保持する

b’秩序相の自己単位が消失したc’秩序相の自己において人間性が保持されているならば、人間精神の原型はc’秩序相において創造される。

 

〈参考文献〉
※1)ビル・グッゲンハイム&ジュディ・グッゲンハイム著「生きがいのメッセージ 愛する故人とのコミュニケーションがもたらす新たな人生観」片山陽子(訳)、飯田史彦(責任編集)1999 徳間書店
ロバート・アルメダー「死後の生命」笠原敏雄(訳)1992 TBSブリタニカ
※2)スタニスラフ・グロフ著「脳を超えて」吉福伸逸、星川淳、菅靖彦(訳)1988 春秋社
※3)イアン・スティーヴンソン著「前世を記憶する子どもたち」笠原敏雄(訳)1990 日本教文社
 

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